VRビューアで見るとなぜ粗い?(画像解像度について)


SwingなどのVRビューアを使い、360度の動画や静止画をお楽しみになられる方、THETA Sを使って360度動画や静止画を撮影される方々によく、「VRビューアを使うと画像が粗くなる、ボケてる」というご質問があります。決して「VRビューアのレンズが悪い」なんてことはありません。

せっかく撮影した動画・静止画が「粗い」、「ボケてる」ことになっていると、ちょっとガッカリしますよね。360度動画・静止画の画像がなぜ、粗くなるのか?という理由を書きたいと思います。

 

今回は、THETA Sで撮影した動画・静止画を例に説明します。

 

 

まず、前回のブログ(VRコンテンツの配信方法)の内容の通り、360度の静止画・動画は最終的にはエクイレクタンギュラー形式の動画・静止画になります。対応アプリによって360度見られる環境になっており、決して画像のみで360度見られるものにはなっていません。

 

このエクイレクタンギュラー形式の動画・静止画は、360度見ることができるアプリによって球体のような形になり、360度を見ることができます。

TEHTA Sで撮影をした画像はこのような画像になっています。

360度を見ることができる対応アプリでみると、この画像は球体状にマッピングされ、360度を見ることができます。


ここでTHETA Sの画像解像度ですが、

動画は1920×960pxl、静止画は最高画質で5376×2688pxlとなっています。

この解像度は撮影したエクイレクタンギュラー形式の動画・静止画に対しての解像度ですから、

画像のサイズとしてはこのようになります。これを360度動画・静止画に対応したアプリで閲覧すると、

エクイレクタンギュラー形式の動画・静止画が球体状にマッピングされ、こんな感じで見えているはずです。

 

空間内の距離を縮めるため、画像をある程度拡大して全体の一部分を見ることになります。全体の解像度がたとえフルHD画質でも見ている部分は一部分ですから、解像度が低くなった部分を見ていることになります。

 

SwingなどのVRビューアを使った場合は、さらにレンズで3倍ほど画面を拡大していますので、さらに解像度が低くなり、動画・静止画が粗く見えることになります。


 

では、逆に粗くない、ボケていない360度動画や静止画を見せたい時はどのようにしたら良いかというと、単純に解像度を上げて撮影するしか現状では方法はありません。プロの方は複数の一眼カメラやGoProなどを使い、画像を合成することによって解像度を上げた動画や静止画を制作しています。

 

しかし、スマートフォンで動画や静止画を見せる場合は、

 

・スマートフォンのディスプレイ解像度

・スマートフォンのスペック不足

 

など、複数の懸念材料が重なり、ただ解像度を上げても快適な視聴体験をすることはなかなか難しいです。

 

THETA Sを使って商用利用(プロモーション)をされる場合は、白飛びしない、暗所をできるだけ作らないなど、どちらかというと撮影技術や「どういった形で見せるか」などディレクション部分が大切になってきます。

 

SwingなどのVRビューアを使った施策などの場合は静止画なら「なんとか・・・」という感じですが、動画は厳しいかな?と個人的には思っています。(もちろん、THETA Sで面白い動画を制作されている方はたくさんいらっしゃいます。)

 

360度を簡単に撮影できるデバイスが多く登場して撮影自体は簡単にできるようになりましたが、商用利用となると考えなくてはならない部分は多くありますので、ある程度の経験や知識が必要ですね。

 

 

Posted by Swing運営チーム